中学生の育成について

多くの親が経験するように中学生になると、扱いにくくなるけど、社会人となるために必要なものはしっかりと身につけさせることが大切です。
だからと言って、なんでも押し付けたのでは子どもは反抗してしまう場合が多くなります。
この時期のしつけについて考えて見たいと思います。
 
是非の判断を自ら考え、主体的に行動するようにさせるのが中学生のしつけのあり方です。
それぞれの決まり、しきたりや、習慣などにどんな意味があるけど、自ら考えさせ、進んでそれに従おうとする心を育てることです。
 
したがって、必要以上に規則ずくめにしても効果が上がるものではありません。
また、主体的に考え行動するようになると、自分の意思通りにして親のいう通りにはならないことが多くなるので、親子の断絶を生じないように配慮し、言葉遣いにも気をつけなければなりません。
 
中学生の適応性を育てるためには、何といっても相手の人格を尊重する心を育てることです。
何でもない親子の会話であっても、子どもの人格を傷つけるような言葉は慎みたいものです。
人格を尊重して育てられた子どもは、相手の人格をも尊重する子どもに成長します。
 
中学生で特に身につけてほしいことは、自分の気持ちをコントロールできるようにすることです。
特に自分も思うようにならなかったときの自分の感情の処理仕方を身につけることが大切です。
人間は大脳皮質というブレーキをもっているので、このブレーキを必要に応じてかけることが出きるようにすることが大切です。
心のブレーキをきかせることのできない子どもは親の過保護の養育態度で育てられた子どもに多いようです。
 
しかし教育には遅いと言うことはないと思うので、気がついたときから、親も子どものブレーキがきくようになるまで、少しずつ訓練し援助することが、大切です。
折りをみて自分の養育態度の甘さを反省し、子どもと話し合い、親自身も甘さをなくすよう努力することが先決です。
 
そのためには日常生活の小さいことから、節度のある生活をし、自分の行動にけじめをつける努力が必要です。
 
例えばテレビは何時まで、風呂は何時、今は何をする時間と、自分で考えて行動するようにし、時間に押し流される生活から早く脱却することです。
中学生に社会人として、最小限度のしつけを身につけさせるための最後のとりでは、
「かけがえのない自分の尊さ」を知らせることです。
自分の尊さがわかれば、自分を大切にし、反社会的な行動はしなくなります。
 
人がそこで生まれ、育てられ、社会に役立つ人間になるための基本的ものを身につけるのが家庭です。
土台をしっかり築かないでその上どんなに立派なものを積み上げても、途中で崩れてしまう場合があります。
一度崩れたものを積み上げ直すことは大変な努力と忍耐が必要であるということはすでに経験され、証明されている事実です。
遅々たる歩みでも、その子どもなりにしっかりした基礎工事をすることが、人間としての適応性をしっかりと身につけさせることになります。
何故ならば適応性を養うためには、人間として大切な自主性や、豊かな心が育てられなければならないからです。
 
問題は親自身の心構えを忘れては子どもを立派にすることは出来ないという事です。
親が神仏を敬い、教養を高めて社会に役立つ子どもを育てるという自覚がない限り、その子どもの教育の効果を上げる事は出来ません。
 
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